ニート💫ラストチャンス

何者/ 学籍がある引きこもり20代ニートの記録

夢は雲のように

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はるか昔に卒業した中学校の卒業文集に、みんなの夢をかくコーナーがあった。

みんながサラリーマンとか先生とか、自由に夢を書いている中で、私は「雲になりたい」と書いた。

文集を開かずとも今でも一言一句覚えている。

「みんなを上から眺めてふわふわしていたい。」

今日風呂掃除をしながら、「あ、夢叶ってるな。」と思った。

 

電気を消して布団で暗闇の中、仰向けでじっとしている。

何も見えないし聞こえない。静かで何も流れない時間。

そんな中、いきなりオレンジ色の小玉電球がフッとつく。

玉電球が視界の中に現れて、自分の目が開いていることに気がついた。

「あ、私の目は開いていたのか」

そんな感じの静かな驚きがあった。

 

当時はニートになりたいなんて1ミリも思っていなかったし、「普通」から外れた道に行くとも思ってなかった。

でも、ニートでいることは自分に似合っていると思う。自分のことも決められず、空想ばかりして他人に興味がない自分は、ニートであることに違和感は全くない。ふさわしい。

でもこんな風に叶う夢は、汚い夢だと思った。

夢というのは、それに向かって頑張って一直線に努力する、キラキラしたものだと思っている。夢のために人は輝いたり、荒々しくなったりする。夢を追いかける人は美しい。

 

私の夢は叶っていた。

夢はこんな形でも叶ってしまうのか。

でも、幸せじゃない。

無理があるし、自分に自信をもたらさない。誰かを幸福にするものでもない。自分の人生を後押しして、進もうとする背中を温めてくれるものでもない。ただ履歴書の空欄を増やしてくれる。

叶ったことで達成感があるわけでもない。

 

夢が苦手だ。

 

啓示を受けた人のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや